悪質な出張買取/訪問買取にご注意ください!靴や衣類の買取で気をひかせ、強引なやりとりで安値で貴金属を買取る被害が増えています。法律が整備された後もその被害は後を絶ちません。正しい知識で被害にあわないようにしましょう。
公開日:2018年8月21日
最近では、お客様の住居を訪問して買取を行う行為、いわゆる「出張買取/訪問買取」が一般的になっています。
荷物も持ってお店までいかなくていいのは魅力的なサービスですよね。
でもこの「出張買取/訪問買取」、少し前には「押し買い」として社会問題になりましたが、今の実情はどうなんでしょうか?
消費者庁、業界の中の噂などをもとに実情を探ってみました。
品物をお売りになる際には、店舗営業を行っているなど身分がはっきりしており、経験豊富でしっかりとした鑑定眼を持つ質屋等のお店の利用もご検討ください。
お使いになってない靴や時計、服などございませんか?
今○○という地域で順番に不用品の買取を行っているんですが、査定だけでもさせて頂けないでしょうか?
こんな電話がかかってきたことはありませんか?
「捨てようと思ってたものがお金になるなんて、まあ、便利なサービス」と思って査定をお願いすると、お願いしてもいない貴金属や金券、アクセサリーなどを強引に買い取られてしまう・・・しかも相場よりかなり安い値段で。
法律的には訪問購入というようですが、訪問買取、出張買取という言葉で浸透しています。
無理やり高く売りつける「押し売り」の反対のため、「押し買い」という言葉で呼ばれています。
2010年頃からこの押し買いの被害が急増し、2022年現在でもも消費者庁の国民相談センターにも多くの押し買いの相談が寄せられているんです。
訪問買取業者に見積もりのために来てもらい、見積額が希望に合わなかったので断ったが帰ってもらえず、結局ブランド物のバッグを売却した。クーリング・オフの方法を教えてほしい。
突然、不要なアクセサリーを買い取ると業者が訪問してきた。50点以上の指輪やネックレス等を安価で買い取られたが、返してほしい。
オーディオの査定を依頼した買取業者から勧誘され、自転車、ブランド時計、テレビ等を売却した。査定額が安すぎたと思うので解約したい。
不用品買取業者から、「何でも買い取る」と電話勧誘を受け、来訪を承諾して住所を伝えたが後から心配になり断りたい。どうしたらいいか。
高齢の母宅に業者から電話があり、その後訪問して貴金属類を安価で買い取って行った。母はクーリング・オフしたいと言っている。
(国民生活センターより)
このグラフを見て下さい。 国民生活センターへの「貴金属等の訪問買取り」に関する相談件数と、金・プラチナの価格を合わせてみました。青色のバーが相談件数です。
2008年にリーマンショックが起こった頃から、押し買いが広まっていることが分かります。特に2010年にはその被害が一気に増えています。
あまりにも被害が拡大したため2012年には特定商取引法が改正され押し買いを規制するようになりましたが、相談件数は増える一方。2017年頃から法整備の効果が表れたのでしょうか、ようやく減少傾向に転じましたが、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令され、経済状況が悪くなると、被害はまた増加傾向に転じています。(2021年は12月現在の件数・2020年度からの推測値です)
「どんなものでもいいから女性用衣類を売ってほしい」と女性から電話があり、来訪を承諾した。後日来訪があり、着物類を見せたが「アクセサリーや金貨はないか」と男性にせかされ、慌てて叔母の形見や亡夫からもらった指輪などの貴金属を出した。すると合計1200円の明細書とお金を渡され、物品を持ち帰られた。貴金属を出してしまったことを後悔している。取り戻したい。
国民生活センターより(70歳代・女性)
はっきり言います。
押し買いの目的は貴金属や金券です。
不要な衣類や靴などいろいろありますが、最終的には貴金属を要求してきます。
相場が安定していて激安で買い取れば素人でも失敗が少ないからです。
実は、押し買いの被害の約6割以上が高齢者なんです。
最近でこそ減ったようですが、高圧的な態度をとられて怖くなった、会社の成績が・・・と泣き落とされ可愛そうになった・・・などの手口を使って断りにくい状況を使ってきます。
押し買いは犯罪です。
自分で断れないと思ったら近所の人や知人、警察に電話するなど、臨機応変に対応してみてください。
また、高齢の方を一人で取引させないよう、周りのサポートも必要でしょう。
クーリング・オフという制度をご存知でしょうか。
Wikipediaによると「頭を冷やして良く考え直す期間を消費者に与え、一定の期間内であれば消費者が業者との間で締結した契約を一方的に解除できるという制度」とあります。
「出張買取/訪問買取」は心理的プレッシャーを伴いますので、取引終了後に本当に良かったのかな?と考える時間を与える、というものです。
クーリングをオフを適用した場合、品物はお手元に戻ってきます。
ただし、受け取ったお金は返さなくてはなりません。
以下にもあるように、クーリングオフは法律で守られた消費者の権利です。
業者との取引時には「クーリングオフについて教えてください」と聞いてみてください。
書面付きできちんとした説明ができない業者はNGです。
この書面付きというのも大事なポイント。
法律では「契約書に赤字でクーリングオフについて記載すること」が定められているんです。
クーリング・オフは取引終了後8日以内と決まっています。その期間であれば、取引業者に連絡すれば、商品を返してもらうことができます。
取引を行った日を1日目とカウントしますので、3/1に取引を行った場合は3/8がクーリングオフの期限となります。
この制度を使えば、この期間を契約を無効化することができます。
また、クーリングオフ期間中は品物を業者に引き渡すことを拒否して自分の手元に置いておき、クーリングオフ期間後に引き渡すこともできます。
クーリングオフ(契約解除)は法律で認められた権利です。
業者はこれを拒むことができませんし、それに対する費用を請求することはできません。
「クーリングオフはできません」「クーリングオフした場合には手数料などがかかりますなど」クーリングオフを拒否するような説明をしてくる業者もいますが、それは嘘です。
クーリングオフを拒んだり、違約金などの名目で料金を徴収するのは「クーリングオフの妨害」にあたり、完全に法律違反です。
仮に契約書にそういった記載があった場合でも、その部分は無効になります。
クーリングオフは、心理的圧迫がある中で契約したものを再考することができる制度です。
つまり、質屋や買取店の店頭で買い取ってもらった場合は、心理的圧迫には当たりませんので、クーリングオフの対象外となります。
また、事前にメールやLINE等で買取金額が決まっている場合は、すでにじっくり考える時間があったとみなされ、クーリングオフの対象とはなりません。ただし、実際の最低時に金額が変わった場合は、クーリングオフの対象となります。
また、「家具」「携帯が容易でない家電」「書籍」「有価証券」「2輪以外の自動車」「レコード・CD・DVD・ゲームソフト類」に該当する場合は、クーリングオフの対象とはなりません。
業者は消費者の依頼がないと訪問して買取を行ってはいけないことになっています。
つまり、いきなりインターホンをピンポーンと鳴らして「不用品を回収してるんですが」というのは違反です。
依頼していない訪問買取業者との取引は行わないようにしましょう。
「靴や衣類、着物など買取りますよ」という電話で依頼をうけたのち、訪問後に「貴金属とかはありませんか?」というのも違反なんです。つまり、あらかじめ電話などで伝えた「○○と○○を買い取りますよ」というもの以外、またはお客様が依頼したもの以外は買取ってはいけないことになっているんです。
これは、特定商取引法の「不招請勧誘の禁止」に該当します。
かなりしつこく強引に貴金属を出すように言われることもあるようですが、毅然とした態度で断ることが大切です。難しければその場で警察を呼びましょう。
法律では、買取の際には必ず契約書を交わすことが定められています。法律で定められなくても、マトモな業者なら当たり前のことですが・・・そこに記載にしなければならないのは以下の通り。これらが書いてなかったらアウトです!
・品物の種類、買取価格
・買取代金の支払方法
・買取品の引渡時期
・クーリングオフの説明
・品物の詳細(金の種類やブランド名、グラム数や型番、シリアル番号、付属品など)
・もちろん業者の会社名、担当者名、連絡先が書いていない場合は論外です。
上記がない場合は「詳しく書いてください」とお願いしてみてください。納得できない場合は契約を拒否することも必要です。
訪問してきた人間が自分の身分を明かすのは、ビジネスでは当たり前のこと。まずはどこの会社の誰か、きちんと確認しましょう。名刺などももらっておきましょう。
あいさつ、礼儀など、基本的なことができていない会社との取引はトラブルの元です。
色々と書いてきましたが、ちゃんと法律に従っている「出張買取/訪問買取」の業者が存在することは事実です。
でも、その業者の価格が適正かどうか、どうすれば判断できるのでしょうか?
大切なのは「出張買取/訪問買取」の中にはそういった業者もいることを認識すること、そして大体の相場価格を知ることです。
大体の相場を知っておけば、大きく逸脱したときに根拠と説明を求めることができますし、安く売ってしまって失敗する、ということも防ぐことができます。
簡単ではありますが、おおよその相場の調べ方を書いてみました。
訪問買取/出張買取に来てもらう前に、お近くの質屋や買取店で査定してもらってください。いわば、セカンドオピニオンのようなイメージでしょうか。
昔は「査定だけ」は嫌がるお店も多くありましたが、今では大丈夫でしょう。
そのお店の価格が「出張買取/訪問買取」よりも高かった場合、相場の変動がなければ後日でも同じ価格で買い取ってもらえるでしょう。
金の買取価格は当店ホームページでも毎日公表していますので、ある程度ご自分でもお調べいただく事ができます。
質屋マルカの金・プラチナの買取/質預かりでは、おおよその買取価格を調べることができます。
金・プラチナの相場は毎日変動しますので、実際の買取価格は多少ずれることが予想されますが、大体の価格は分かります。
ダイヤモンドやジュエリーの場合、枠や土台となる金・プラチナのお値段に、ダイヤモンドの価格をプラスして金額を算出します。
鑑定書がある場合は、鑑定書の内容を参考にダイヤモンドのおおよその価格を調べることができますが、ダイヤモンドは品質により価格に大きな開きがありますので、鑑定書がない場合はご自分での判断は難しいでしょう。(購入時の1/5〜1/10の価格となることが多いように感じます)
質屋マルカのダイヤモンドの買取/質預かり、宝石の買取/質預かりもご利用くださいませ。
ロレックスには非常にたくさんのモデルがありますが、モデルごとにおおよその取引価格が決まっています。
質屋マルカのロレックス相場価格もご参考して頂ければある程度のお値段はお調べいただけます。
もちろん、キズの状態やブレスレットの長さ、ガラスの欠けなどの商品の状態、為替の影響、保証書の有無によって価格が変わってきますが、おおよその目安にはなるのではないでしょうか。
また、ロレックス以外の時計に関しては質屋マルカの時計の買取/質預かりもご利用くださいませ。
ブランド品には多くの種類がありますが、モデルごとにおおよその取引価格が決まっています。まずはインターネットを販売価格を調べてみること。
もちろん、使用感など商品の状態、為替の影響、保証書の有無によって価格が変わってきますが、おおよその価値が分かるのではないでしょうか。
質屋マルカのブランド品(バッグ、財布、小物)の買取/質預かり、ブランドジュエリーの買取/質預かりもご利用くださいませ。
パソコン、カメラ、テレビ、ギターやサックスなど楽器、MacBook、iPadなどのアップル製品、毛皮コート、ショールなどの場合、商品の種類が非常に多いため、と言わせすれば大体の価格を知ることができます。
その際に、商品の型番(モデル番号)が必要となりますので、ご用意くださいませ。
「押買いに関する規制」が施行されたものの、被害は後を絶たないようです。
なぜ?と思われるかもしれませんが、下記のように「押し買い」がより巧妙になっているのです。
少し落ち着きを見せていますが、被害は後を絶ちません。
十分にお気を付け下さい。
品物をお売りになる際には、店舗営業を行っているなど身分がはっきりしており、経験豊富でしっかりとした鑑定眼を持つ質屋等のお店もご検討ください。
〜消費者ホットライン〜
〜法律に関すること〜(訪問購入とありますが、訪問買取/出張買取のことです)
〜クーリングオフに関すること〜
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