この指輪って「純金」て書いてあるけど、ほんとに純金なの?刻印がないけど金なの?比重が分かればそんな悩みもスパッと解決!金・プラの査定に欠かせない比重検査についてご紹介します!ってそんなに大したものでもありませんが、ご参考までにどうぞ。

純金?刻印がない?そんな時は『比重検査』で判別!?

何も刻印がない指輪。
「純金」と刻印されただけの指輪。
これって金なの?どうなの?

その指輪が「金」かどうか、またはどのくらい金が含まれているのか、の判断には、いろんな検査方法があります。その中でも、比較的簡単にできる検査方法の一つに『比重』検査があります。

その方法が分かれば、金なのか、どのくらい金が含まれているのかを推測することができちゃうのです。
そんなに難しいことではありませんので、ちょっとしたテクニック!という事でご紹介!

「金・プラチナの刻印」についてはこちらをご覧ください。

このページに掲載の内容は、簡略化したもので物理学的に正確でない可能性があります。
また『比重検査』に関するお問い合わせには一切お答えできません。
あらかじめ、ご了承下さいませ。

というか『比重』って何なん?

まずは『比重』って何よ?

まず最初に比重とは何かをご説明いたします。ちょっと物理チックな面倒なお話になりますし、こういうのメチャ嫌い!吐き気がする!って方は、どうぞ読み飛ばしてくださいね〜。
でも一生懸命調べたので読んでくれると嬉しいです



比重というのは「ある温度における、ある物質と標準物質の密度の比」と定義されています。

ふーん。。。
なんのこっちゃサッパリ???
ですよね。。。。

貴金属の比重を検査するときには、標準物質=水と考えますので、もっとザックリ言うと、比重とは「ある物質の密度と水の密度を比較したものとなります。水の密度というのは約1g/cm3と習いましたよね〜。(習ったことにしましょう、厳密には4℃の水の密度は0.999973g/cm3みたいです)
ですから、『 比重 』≒「計測したい物質の密度と1を比較したもの」=計測したい物質の密度となるのです。

じゃあ『密度』って何よ?

じゃあ、次は密度をお勉強ですね♪
もういいって・・・もう少しお付き合いを。

密度とは、そもそも「1cm3当たりの重さ」のことです。
つまり、ある物質の「重量」を「体積」で割ればいいのです。

簡単やんけ!?!?
じゃあ、体積ってどうやって調べるんだ!?調べたい物体の形状が直方体とかなら簡単ですけど、指輪とかネックレスの場合は、そうはいきません。

アルキメデスさんの肖像画

アルキメデスさん
(出展:SCIENCE BUDDIES)

そこで登場するのが「アルキメデスの原理」!
久々の登場です、アルキメデスさん。
こんにちは。

その原理というのは、「水の中に物質を入れたとき、物質は浮力を得て、押しのけた水の体積分の重量だけ軽くなる」というもの。
プールに入ったとき、体が軽ーく感じるのと同じ原理ですね♪月に行ったとき、体が軽ーく感じるのと同じですね♪(全然ちがう)太った人は体がでかいので、同じ体重の筋肉質な人より水に浮きますよね♪(全然ちがう)

話を元に戻しましょう。

このときの重量のことを「水中重量」といいます。
水は1cm3の重さは、おおよそ1gなので。100gの物質で体積が5.18cm3の場合、水中では重量は5.18gだけ軽くなって94.82gとなるのです。逆に言えば、100gの物質が水中で94.82gとなる場合、5.18g分だけ軽くなってるので、体積は5.18cm3となるんです!

つまり、重量から水中重量をひくことで、物質の体積が分かるんです!!

やっと『比重』の計算式!

とまあ、こんな難しいことをツラツラと書いてきましたが、結論から言うと、おおよその比重は次の簡単な計算式で求めることができるのです。

比重=重量÷体積=重量÷(重量-水中重量)

比重値の一覧表です。

調べた比重値から、その金属が何かを推測するのです。
わずかな不純物の差などにより比重値には幅が出ますのが、ある程度推測が可能です。

これを見ると、やっぱり金やプラチナの比重は重いことが分かります。
実際に手に持った時にずっしりと感じます。
逆にシルバーやニッケルなどの場合の比重は軽いことが分かります。


【金の場合】
種類 比重値の範囲
K24 19.13〜19.51
K22 17.45〜18.24
K20 16.03〜17.11
K18 14.84〜16.12
K14 12.91〜14.44
【プラチナの場合】
種類 比重値の範囲
Pt1000 21.24〜21.66
Pt950 19.84〜20.85
Pt900 18.61〜20.08
Pt850 17.53〜19.38
【その他の金属の場合】
種類 比重値の範囲
ロジウム 12.44
パラジウム 12.02
11.36
10.53
ニッケル 8.90

比重値を調べるには!

質屋マルカの重量計/比重計です
当店の比重計です。小数点第3桁まで計測できる重量計に、自作のアタッチメントを付けることで水中重量を計測できるようにしています。

じゃあ、実際に比重値を調べてみましょう!!これまでにご説明した通り、比重をきちんと図るには「通常重量」と「水中重量」が分かればいいのですが。

おさらいです。
比重の計算式はこんな感じでした。

比重の計算式

実はこの中の「水中重量」がクセモノなんです。
この水中重量は、小数点第二桁以上の精度で、わずかな空気の流れや振動などもシャットダウンしないと正確に計測できないのです。
でも、ここまで説明しておいて、後は10万円以上する専門機材じゃないとダメなんです!ってのもちょっと悲しい。

で、色々考えて探しました。
見つけちゃいました!簡単に簡易的に水中重量を計る方法を!
あくまで簡易的な方法なので、正確な比重値は期待しないのでほしいのですが。。。

あ!その前に!下記のものは比重を測っても正しい値を求めれませんので、諦めてくださいよ!

  • 水につけた際に、対象物の隙間に空気が含まれてしまうもの
  • 対象物が空洞になっている場合
  • 対象物に違う素材のもの(ダイヤなど)がついている場合
  • 重量が重すぎるもの、大きすぎるもの

レッツ!やってみよう!

本当に簡易的に調べる方法をご紹介いたします。
あくまえ簡易的なものですので、そこはあらかじめご了承くださいね。

準備するもの

(1)用意するもの
  • 重量計(小数点まで求めれるもの)
  • プラスチック容器(軽めの容器)
  • クリップ
  • 中性洗剤
  • ピンセット(お箸などでも可)
  • 電卓
  • メモ用紙、ペン

(1)この「純金」刻印の指輪を調べます

(2)この「純金」刻印の指輪を調べます

「純金」という刻印だけがある指輪の比重値を調べてみます。昔のお品物に多く、多くの場合は純金に少し満たないものが多い印象です。今回のお品物はどうでしょう?

(2)まずは通常重量を計測です

(2)まずは通常重量を計測です

重量計で、通常時の重量を計測します。
18.1gです。

(3)お水を準備します

(3)お水を準備します

まずはプラスチック容器の7分目くらいまで水を入れます。そこに中性洗剤を1滴たらしてゆっくりと混ぜます。中性洗剤を入れることで、界面活性剤の働きをして指輪の周りに気泡がつきにくくなります。

(4)クリップをつないで・・・

(4)クリップをつないで・・・

クリップを数個つないで、その先に指輪をひっかけれるようにします。

(5)水中に入れて重量を調べる!

(5)水中に入れて重量を調べる!

重量計の上にプラスチック容器をセットして電源を入れます。目盛りがゼロになっていることを確認したあとに、クリップを手で持ちながらゆっくりと指輪を水中に入れます。このときの重量をは指輪の体積を表していて、グラムをcm3に読み替えたものが、指輪の体積となります。

  • 指輪が容器に当たらないようにします。
  • できるだけ水中のクリップが少なくなるようにしてください。

(6)比重値を計算!

(6)比重値を計算!

(2)と(5)で求めた値から、比重値を計算します。計算式は『比重値=(2)÷(5)』となるので、18.1÷0.9=20.1となります。誤差から金の比重値の上限である19.3を超えていますが、この指輪は金で24金に近いものである という事が分かります。

(7)誤差はどのくらい?

今回の場合、重量計は小数点第一桁しか計測できませんでした。実は、比重値の制度を高めるには、小数点第二桁まで計測できる重量計が必要なのです。ちょっと検証してみます。

指輪の重量は18.1gなので、18.05g〜18.14gまで幅があります。そして、水中に入れた時の重量は0.9gだったので、0.85g〜0.94gまで幅があります。これを考慮すると、比重値は『19.20〜21.34』まで幅があることになります。

この指輪を正確に計測したところ、重量は18.09g、水中での重量は0.94gなので、比重値は19.24で24金相当となります。)

  • 重量計の計測誤差、クリップや金網の水中体積の変化などによる誤差なども考えられますので、この計測方法による比重は参考程度にお考えください。
  • 計測方法によっては、専門機材で計測した場合と大きく違うことも考えられます。

※対象物が大きい場合は

金網を使うこともできます

対象物が、ロングネックレスやコインなどの大きい場合は、クリップにひっかけることはできませんので、金網(茶こしでも可)を使って検査することも可能です。その場合、まずは、茶こしを水につけた状態で重量計をゼロリセットしてください。


金網を使って水中で重量を計ります

その後、そのまま茶こしの中心部に対象物を乗せます。その場合、対象物に気泡がつかないこと、水中にある金網(クリップ)部分の体積が変動しないように注意してください。(茶こしを手で持たず、クリップをどこかにひっかけて固定したほうが正確に計測できます)

このページに掲載の内容は、簡略化したもので物理学的に正確でない可能性があります。
また『比重検査』に関するお問い合わせには一切お答えできません。
あらかじめ、ご了承下さいませ。

でも、比重は参考程度にね!

この万能に見える比重検査、米国宝石学協会(G.I.A.)において宝石を鑑別する際には、実はメインではなく補助の検査という位置づけなんです。ちょっとした振動、風、不純物などによりその値が大きく変わるからでしょうか。なので、あくまで『推測』レベルでお考えください。
僕たちも以下のような総合的な検査を行って、総合的に査定を行っているんです。

  • 刻印検査(刻印の種類、正確さなど)
  • 目視検査(色、表面のメッキ感、腐食具合など)
  • 接触検査(触れた際の温冷感、重量感など)
  • 微小破壊検査(目立たない部分の表面をわずかに削って調べる、お客様の了承て行います)
  • 硬度検査(特に純金の場合は柔らかさを検査する、お客様の了承を得て行います)


さらに正確な検査は、X線等を使用した高度な専門機材を使っての検査が必要になります。正確な検査結果が知りたい場合は、貴金属メーカーでの正確な検査をおすすめいたします。

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