ギター業界の巨頭、フェンダー社の日本モデルを製造するフェンダージャパン。フェンダージャパンのシリアル番号から製造年月日がわかるってご存じでしょうか?って、そんな大したものではありませんが、フェンダージャパンの概要、シリアルの場所、シリアル番号と製造年の対応表を掲載しています。
アコースティックギターといえば、まず最初に頭に思い浮かぶのがMartin(マーティン)。
このMartinのシリアル番号から製造年がわかるってご存じでしょうか?
ここでは、マーチンの概要、シリアルの場所、シリアル番号と製造年の対応表を掲載しています。
マーティンが誕生したのは、1833年のこと。
マーティン=アメリカのギターメーカーは間違いありませんが、意外なことにそのマーティンを設立したのは、ドイツ人のクリスチャン・フレデリック・マーティンという人だったというから驚きです。
ドイツからアメリカに渡ったマーティンは楽器店を開きながらギターの製作を開始、1850年頃に現在のアコースティックギターで採用されているXブレイシングを開発。
ナイロン弦だったものをスチール弦に変更するなど、マーティンの製作するギターは次第にアメリカ文化となじんでいきました。
当時のヨーロッパではナイロン弦のクラシックギターが全盛期ということもあり、文化による楽器の違いが非常に面白い点ではないでしょうか。
1900年代前半にはOO(ダブルオー)、OOO(トリプルオー)、ドレッドノートなど様々な形状のボディを開発しています。
そう考えると、現在のアコースティックギターの基礎を作ったメーカーといえるでしょう。
日本でも1960年代のフォークブームでMartinギターは一気に広がっています。
その後、第二次世界大戦やエレキブームによる経営危機を乗り越え、1989年に始まったMTVのアンプラグドでアコースティックギターが再浮上。
その頃から日本でもクロサワ楽器が正規輸入代理店となっています。
エルヴィス・プレスリー、ポール・サイモン、エリック・クラプトン、ボブ・ディラン、ジミー・ペイジなどの名だたるアーティストがマーティンのギターを使用しており、特にD-28はGibsonのJ-45と共にアコースティックギターの名機と呼ばれています。
非常に簡単ではありますが、マーティンギターの代表的な3シリーズのみ紹介してみます。
マーティンを代表するシリーズ。
ボディのくびれを減らして「大ぶりなギター」という印象です。
大ぶりなので当然大音量で力強い音が特徴です。
メーカーを問わず、現在のアコースティックギターの基準となるサイズです。
現在発売しているラインナップにはD-18、D-28、D-35、D-41、D-42、D-45があり、ここからD-14FやHD-28Vなどの様々な派生モデルが生まれています。
プロ、アマを問わず最も人気があるのがD-28、一方でD-45は木材の質やインレイやバインディングなどの装飾にもこだわった最高機種とされ、どちらかといえば芸術品の域に近いものになっています。
ドレッドノートに比べてくびれがしっかりした、いわゆるボン・キュ・ボンなシェイプのギター。
全体的なサイズも小さく、取り回しが楽で弾きやすいのが特徴です。
サウンドもドレッドノートに比べると引き締まってきらびやかな音が特徴です。
OシリーズにはOOO(トリプルオー/オーディトリアム)、OO(ダブルオー/グランドコンサート)、O(シングルオー/コンサート)の3種類があり、Oが減るほどボディは小さく、サウンドがシャキシャキと立ってくるのが特徴です。
OOO-18、OO-18、O-18などそれぞれに多くのラインナップがあります。
例えば18などの数字は、木材の質、設計、製造工程、装飾などに反映され、数字が大きくなるほど品質・価格ともに高くなっていきます。
Oシリーズの小ぶりなモデルにDシリーズのロングネックをつけた、両者のいいとこどりのようなモデル。
ネックが長くなる=弦長が長くなるため、よりストロークに向けたサウンドとなります。
これにより、Oシリーズのシャキシャキとしたきらびやかなサウンドにふくよかさをプラスした、OシリーズともDシリーズとも違うサウンドを生み出すことができました。
OMシリーズにもOM-18、OM-28、OM35Eなど様々なラインナップがあります。
D-18、D-35などの数字には何の意味があるのでしょう?
もともとは価格(卸値)を反映した数字でしたが、現在ではスタイル(使用する木材ランクや装飾などの仕様)を表しています。
(こういった価格をモデル名の一部とすることは、楽器ではよくあることです)
18 | マホガニーを中心としたモデル |
---|---|
28 | ローズウッドを中止とした、マーチンの主力モデル |
35 | ローズウッドを中心とし、バック材が3ピースになったモデル |
41 | D-28をベースにアバロン装飾を施して豪華にしたモデル |
42 | D41の装飾をさらに豪華にしたモデル |
45 | その時点での最高品質の材を用いて装飾も豪華にしたマーチンの最高モデル |
もちろん装飾だけではなく、細かな部位やブレーシングなどにも違いはありますが、大まかにはこんなところでしょうか。
Martinのギターは、シリアル番号から製造年を調べることができます。
アメリカ製なのに、しかも今から120年も前のモデルでも調べることができるというから驚き。(アメリカ製はざっくばらんに作っているイメージがありました・・・)
Martinギターのシリアル番号は、ギターの中心部のサウンドホールの内側、ネックブロックにあたる場所に刻印されていることがほとんどです。
サウンドホール内側のラベルに記載があることもありますが、特別モデルに限った製造番号(何本目に作ったか)ということだったりもするのでご注意ください。
サウンドホールからネック側をのぞいた場所にあるネックエンドにシリアル番号が記載されています
たとえばこんな風に。これはD-41、高級機種ですね。(シリアル番号はわざとぼかしています)
高級ラインのカスタムショップのD-14Fの場合はこんなの。ドレッドノート誕生100周年て刻印されています。
トリプルオー、エリッククラプトンモデルの場合は内側にラベルがあり、4桁の番号がありました。これはこのモデルの生産通し番号ですので、シリアル番号ではありません。シリアル番号はちゃんとネックエンドにあります。
マーティンでは、その年に生産された最後のギターのシリアル番号が公表されていますので、そこから製造年を調べることができます。
なお、製造年と購入年は一致しませんのでご注意を。(製造から数年して購入、というケースもよくあります)
1898年 | 8348 | - |
---|---|---|
1899年 | 8716 | 368本 |
1900年 | 9128 | 412本 |
1901年 | 9310 | 182本 |
1902年 | 9528 | 218本 |
1903年 | 9810 | 282本 |
1904年 | 9988 | 178本 |
1905年 | 10120 | 132本 |
1906年 | 10329 | 209本 |
1907年 | 10727 | 398本 |
1908年 | 10883 | 156本 |
1909年 | 11018 | 135本 |
1910年 | 11203 | 185本 |
1911年 | 11413 | 210本 |
1912年 | 11565 | 152本 |
1913年 | 11821 | 256本 |
1914年 | 12047 | 226本 |
1915年 | 12209 | 162本 |
1916年 | 12390 | 181本 |
1917年 | 12988 | 598本 |
1918年 | 13450 | 462本 |
1919年 | 14512 | 1,062本 |
1920年 | 15848 | 1,336本 |
1921年 | 16758 | 910本 |
1922年 | 17839 | 1,081本 |
1923年 | 19891 | 2,052本 |
1924年 | 22008 | 2,117本 |
1925年 | 24116 | 2,108本 |
1926年 | 28689 | 4,573本 |
1927年 | 34435 | 5,746本 |
1928年 | 37568 | 3,133本 |
1929年 | 40843 | 3,275本 |
1930年 | 45317 | 4,474本 |
1931年 | 49589 | 4,272本 |
1932年 | 52590 | 3,001本 |
1933年 | 55084 | 2,494本 |
1934年 | 58679 | 3,595本 |
1935年 | 61947 | 3,268本 |
1936年 | 65176 | 3,229本 |
1937年 | 68865 | 3,689本 |
1938年 | 71886 | 3,021本 |
1939年 | 74061 | 2,175本 |
1940年 | 76734 | 2,673本 |
1941年 | 80013 | 3,279本 |
1942年 | 83107 | 3,094本 |
1943年 | 86724 | 3,617本 |
1944年 | 90149 | 3,425本 |
1945年 | 93623 | 3,474本 |
1946年 | 98158 | 4,535本 |
1947年 | 103468 | 5,310本 |
1948年 | 108269 | 4,801本 |
1949年 | 112961 | 4,692本 |
1950年 | 117961 | 5,000本 |
1951年 | 122799 | 4,838本 |
1952年 | 128436 | 5,637本 |
1953年 | 134501 | 6,065本 |
1954年 | 141345 | 6,844本 |
1955年 | 147328 | 5,983本 |
1956年 | 152775 | 5,447本 |
1957年 | 159061 | 6,286本 |
1958年 | 165576 | 6,515本 |
1959年 | 171047 | 5,471本 |
1960年 | 175689 | 4,642本 |
1961年 | 181297 | 5,608本 |
1962年 | 187384 | 6,087本 |
1963年 | 193327 | 5,943本 |
1964年 | 199626 | 6,299本 |
1965年 | 207030 | 7,404本 |
1966年 | 217215 | 10,185本 |
1967年 | 230095 | 12,880本 |
1968年 | 241925 | 11,830本 |
1969年 | 256003 | 14,078本 |
1970年 | 271633 | 15,630本 |
1971年 | 294270 | 22,637本 |
1972年 | 313302 | 19,032本 |
1973年 | 333873 | 20,571本 |
1974年 | 353387 | 19,514本 |
1975年 | 371828 | 18,441本 |
1976年 | 388800 | 16,972本 |
1977年 | 399625 | 10,825本 |
1978年 | 407800 | 8,175本 |
1979年 | 419900 | 12,100本 |
1980年 | 430300 | 10,400本 |
1981年 | 436474 | 6,174本 |
1982年 | 439627 | 3,153本 |
1983年 | 446101 | 6,474本 |
1984年 | 453300 | 7,199本 |
1985年 | 460575 | 7,275本 |
1986年 | 468175 | 7,600本 |
1987年 | 476216 | 8,041本 |
1988年 | 483952 | 7,736本 |
1989年 | 493279 | 9,327本 |
1990年 | 503309 | 10,030本 |
1991年 | 512487 | 9,178本 |
1992年 | 522655 | 10,168本 |
1993年 | 535223 | 12,568本 |
1994年 | 551696 | 16,473本 |
1995年 | 570434 | 18,738本 |
1996年 | 592930 | 22,496本 |
1997年 | 627499 | 34,569本 |
1998年 | 668796 | 41,297本 |
1999年 | 724077 | 55,281本 |
2000年 | 780500 | 56,423本 |
2001年 | 845644 | 65,144本 |
2002年 | 916759 | 71,115本 |
2003年 | 978706 | 61,947本 |
2004年 | 1042558 | 63,852本 |
2005年 | 1115862 | 73,304本 |
2006年 | 1197799 | 81,937本 |
2007年 | 1268091 | 70,292本 |
2008年 | 1337042 | 68,951本 |
2009年 | 1406715 | 69,673本 |
2010年 | 1473461 | 66,746本 |
2011年 | 1555767 | 82,306本 |
2012年 | 1656742 | 100,975本 |
2013年 | 1755536 | 98,794本 |
2014年 | 1857399 | 101,863本 |
2015年 | 1972129 | 114,730本 |
2016年 | 2076795 | 104,666本 |
2017年 | 2161732 | 84,937本 |
2018年 | 2258889 | 97,157本 |
ミュージシャンにとって楽器は相棒といえるものです。
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