素材、C管とH管、Eメカ、ドローン、ソルダード…フルートには様々なバリエーションがあります。質屋マルカが取り扱う楽器の中で、サックス、トランペットの次に多いのがフルートなんです。ここでは質預かりや買取査定にまつわるお話も交えながら、フルートの豆知識について解説してみます。
素材、C管とH管、Eメカ、ドローン、ソルダード…
フルートには様々なバリエーションがあります。
質屋マルカが取り扱う楽器の中で、サックス、トランペットの次に多いのがフルートなんです。
ここでは質預かり・買取査定にまつわるお話も交えながら、フルートの豆知識について解説してみます。
フルートの素材にはいろいろなバリエーションがあり、それにより価格も様々です。
エントリーモデルでは定価は数万円、有名なムラマツの総18Kソルダードモデルでは定価は600万以上もするなど、最も価格差がある楽器でもあります。
それだけに、素材は査定額に直結する要素といえます。
フルートの中でも最も安価な素材です。
白銅とは銅を主体としたニッケル合金、洋銀は銀は含まれておらず銅、亜鉛、ニッケルの合金です。
主にエントリーモデルに使用されることが多い素材で、抵抗感が少なく明るい音質ですが、表現力に乏しいというデメリットもあります。
おおよその価格としては、10万円未満でしょうか。
白銅や洋銀のフルートはエントリーモデルを中心に使われます
銀は、エントリーモデルのステップアップからプロフェッショナルまで幅広く使われる素材です。
スターリグシルバー925や950、997などが使われ、適度な抵抗感でフォルテやピアノを表現しやすくなります。また音質も丸みを帯びた深みのある音色となります。
ただ、自然反応で変色しやすいという欠点があります。
リッププレートのみ銀製、頭部管のみ銀製、管体のみ銀製、総銀製など様々なバリエーションがあり、銀を使う割合により表現の幅が広がっていきますが、同時に価格も10万〜、15万〜、25万〜、50万〜と上がっていきます。
また、銀素材に金やプラチナなどのメッキを施したモデルもあります。
スターリングシルバー製フルートの925刻印
酸化して変色した銀製のフルート
フルートの中で最高峰に位置する素材が、金・プラチナです。
フルートの管体に金やプラチナを使うなんて正気か!と思われるかもしれませんが実在します。
金の場合はきらびやかな音色が特徴で、使う金の割合によって9K、10K、14K、18Kなど様々な種類があります。
プラチナの場合は金より比重が高いため、少しダークな音色になります。
銀と同様に、頭部管のみ、管体のみ、全体など様々なバリエーションがあり、価格も200万〜ともはや楽器とは思えないレンジとなります。
金のフルートは非常に高価で貴重なものです
9Kのフルートの刻印
フルートの音域は、ドから3つ上のドまでの3オクターブが基本です。
基本と書いたのは、足部管を交換することで音域を広げることができるからです。
フルートは頭部管、主管、足部管に分かれていますが、足部管だけはC管(ツェー管)とH管(ハー管)の2種類があります。
この2つの違い・・・それは、出すことができる最低音の違いです。
C足部管は最低音がC(ド)ですが、H足部管を用いるとその半音下のH(シ)まで奏でることができるようになります。
見た目の違いは一目瞭然!
H管はC管に比べて約3.5cm長く、キィの数も1つ多いという特徴があります。
これによりフルート全体の長さが長くなり、振動領域が長くなるため、より低音まで出せるようになるのです。
同じモデルの場合は、H管の方がC管よりも若干価格が高いため、査定額もH管の方が若干高くなります。
C管とH管は長さとキィの数が違うため一目瞭然です
フルートH足部管にあているギズモキー
よく話題になりますが、C管とH管の違いは最低音だけではありません。
どちらも調整はCのままで一緒、運指も基本的には同じです。
しかし、H足部管の場合はフルートの全長が長くなり振動域が増えるため倍音も増えます。
結果として、響きが重厚で全域を通して落ち着いた音色となり、高音が安定すると言われています。
より長いゴムの方が低音まで出せるのと同じ原理です。
しかし、H足部管にもデメリットがあります。
一番大きな違いは重量です。
足部管の重量が増えるため全体の重量が増えるだけではなく、重心が変わるためC管の時とはバランスが異なってしまいます。このずれが意外と大きく、3.5cm以上の差を感じてしまうようです。
さらには最高音のC(ド)の音が安定しなくなるため、ギズモキーという特殊なキーを抑える必要が出てきます。もちろんH管の方が価格も高くなります。
最近では、H管を使用したほうがバリエーションに富んだ演奏ができることもあり、プロ〜ハイアマチュア、ジャズミュージシャンにはH管が好まれる傾向があるようですが、C管の方が明るく軽やかな音質となるため、曲や演奏スタイルによって使い分けるのがベターと言えそうです。
フルートの欠点ともいえるHigh Eの不安定さ。
High Eを鳴らす際に、同時にG#キィまで開いてしまうため、どうしてもHigh Eが不安定になってしまうんです。
初心者には難関ポイントと言われています。ギターのFのバレーコードと同じですね。
それを解消してくれるのがEメカニズムと呼ばれる特殊なキィアタッチメントです。
メカはメカニズムの略で、決してロボット的なものではありません…
ただし、Eメカはデフォルトでは装備されていないため、購入時に別途費用を支払って付ける必要があります。またEメカがあることで一部の運指トリルが使えなくなってしまう、重量が変わるため音質に変化が出るなどのデメリットもあります。
さらに、Eメカはアタッチメントとはいえ、後から付けたり外したりすることはできません。
そういったデメリットもありますが、総合的に考えれば、エントリーユーザには非常に便利なシステムです。
フルートのEメカニズム(赤丸のキィ)
Eメカニズムがないフルート
フルートの主要なパーツであるトーンホールにもバリエーションがあります。
フルートの音をコントロールする重要な部分ですが、このトーンホールには、ドローンとソルダードという2つの種類があります。
同じモデルであれば、ソルダードの方が定価が高いため、質預かり/買取の査定額もソルダードの方が高くなります。
フルート管体に開けた穴の金属を外に引っ張り出して立ち上げを作る方法をドローン トーンホール(引き上げ)と言います。開けた部分の金属を引っ張って円周に沿って立ちあげるため、管体より薄くなります。立ち上げた先端は丸められます。
吹奏感は軽めで音の立ち上がりが良く、軽快な響きが特徴です。
比較的安価なフルートに多いですが、高級フルートでも使われています。
金属を引き上げて作るため、その際に管体が引っ張られることがあり、光を当ててみると歪んで見えることがあります。
映りこんだ画像から管体がトーンホールにかけて引っ張られているのが分かります
トーンホールの接合部にハンダなどの接合跡は見られません
フルート管体に開けた穴に、別の立ち上げパーツをハンダ付けして作る方法をソルダード トーンホールと言います。伝統的に作られている方法ですが、穴と同じ形にパーツを緻密に製作し、それを取り付けるため、非常に手間がかかります。
管体とは別に、立ち上げパーツ、ハンダなど多くの異素材を振動させる必要があるため、ドローンに比べて抵抗感が増すため上級者向きと言われています。
しかし、そのぶん響きは深くなり、一つ一つの音の粒立ちが良くなります。
また、管体のゆがみなどの影響を受けにくいというメリットがあります。
手間がかかるためドローンに比べて価格が高く、ハンドメイドフルートに多く見られます。
ドローンに比べて接合面がはっきりと確認でき、内側から見ると接合面が見える場合もあります。
移りこんだ画像はドローンと違ってトーンホールの影響を受けていません
トーンホールの接合部にハンダなどの接合跡は見られます
ハンダの接合跡はが見えにくい機種もあります
内側から接合部が確認できることもあります
ミュージシャンにとって楽器は相棒といえるものです。
自分の吹きグセなんかもあったり、練習でついた傷なんかも妙に大切に感じられたり。
ちょっとお金が必要になったから、売らないといけないのか・・・
そんな寂しいことはありません。
でも、質屋なら楽器を手放さずにお金に換えることができるんです。
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どうぞ、お気軽にご相談くださいませ。
〒561-0858 大阪府豊中市服部西町1-1-12
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